うつ病とは?原因・症状・治し方などを解説!

うつ病とは?
日常会話でうつ病という言葉を聞くことはなくなりましたが、うつ病とは一体何なのでしょうか?
うつ病は、さまざまなストレスが原因で、「病的な気力の低下」をきたす疾患です。
うつ病には様々な種類がありますが、脳機能のバランスが乱れ、気分の低下(抑うつ気分)、意欲の低下、易疲労感などが生じ、思考力や集中力の低下、決断力の低下、過度の悲観的思考などが生じると考えられている疾患です。
絶望感は「意味なく生きている」「死にたい」という感情を悪化させ、人によっては自ら命を絶つことを選択することもあります。
食欲不振や不眠などの身体症状は、気分障害の発症に先行して現れることがある。本人がコントロールできていると思っていても、周囲が心配するような状況であることが多い。
では、具体的にどのような人がうつ病になりやすいのでしょうか。うつ病の具体的な症状にはどのようなものがあるのでしょうか。そして、うつ病にかかるとどうすればいいのでしょうか?
うつ病の原因
その病態や原因については、未だ完全には解明されていない。しかし、原始的な遺伝的要因か、後天的な精神的・肉体的ストレスが発症の原因であるという考えが有力です。
その結果、体内の神経伝達物質である5-ヒドロキシトリプタミンやノルエピネフリンなどのモノアミンが機能不全に陥り、抑うつ症状が発現すると考えられています。
また、結婚、進学、就職、引っ越しなどの良い出来事の後にも、悩ましい出来事だけでなく、うつ病が発症することがあります。
また、学校でいじめられたり、進学、受験、クラス替え、部活など、ストレスの多い環境の変化により、子どもが経験することも少なくありません。
うつ病の症状
うつ病には特徴的な症状があります。
この症状に早く気づくことで、うつ病の早期発見・早期治療につながります。
強烈な抑うつ状態
誰にでも軽いうつ状態はあります。
例えば、仕事で失敗すると、落ち込んだり、イライラしたりすることがあります。
しかし、これは短時間の抑うつ状態であり、翌日には治まるのが普通です。
ところが、うつ病は、激しい落ち込みの状態です。
気分が落ち込んで何もしたくなくなる」という、落ち込んだ状態が長く続くことがあります。
周囲から見ると、うつ病とは、日中、暗い表情で元気のない時間が長く続くことを指します。
興味や喜びの喪失
今まで趣味だったことに興味や喜びを感じられなくなる。
楽しい」「嬉しい」といったポジティブな感情を感じにくくなる。
食欲や睡眠の乱れ
食事と睡眠は、人間が生きていく上で欠かせないものです。
うつ病になると、こうした基本的な欲求が失われることがあります。
胃の調子が悪いと食欲がなくなったり、逆に極端に食べたくなって過食に走ったりするケースもあるようです。
また、睡眠障害に悩まされる方も少なくありません。
「寝つきが悪い」「午後に目が覚める」「早朝に目が覚める」「熟睡できない」など、症状は人それぞれです。
仕事中に疲れやすく、集中力がない

疲労感や倦怠感など、原因のわからない不快感を感じることが多い。
その他に考えられる症状:吐き気や下痢、体の痛み、頭痛など。
うつ病になりやすい人の特徴
うつ病は、外的ストレスや生活習慣の乱れなど何らかのきっかけで発症すると考えられていますが、もともとの性格や考え方、さらには生まれつきの遺伝的要因も関係していると言われています。
生活習慣では、十分な休養、規則正しい食事、適度な運動、過度の飲酒を避け、レクリエーションやリラックスする時間を作ることが予防に重要で、逆にこれらが乱れると発症のリスクが高まるとされています。
食事を抜き、運動を嫌い、スマートフォンをいじり、夜更かしをする若者が増えている現代社会では、若いからといって発症しないわけではないことは明らかです。
次に、うつ病になりやすい典型的な性格パターンとして、「メランコリー親和型」と呼ばれるものが存在します。
具体的には、良心的で責任感が強く、几帳面で、組織的な性格の持ち主のことを指し、周囲に過度に気を遣い、責任感が強いために一人で抱え込むことができず、うつ病になるリスクが高いと言われています。
メランコリック親和型に加え、最近では自己中心的で依存的、利他的で繊細で傷つきやすい人もうつ病になることが分かってきており、若い人に多いことから新型うつ病と呼ばれている。
なお、抑うつ気分は、自分自身や周囲の環境、将来について否定的な考えを持つようになり、それがますます不活発な行動につながり、さらに自分の考えに悪影響を及ぼすという悪循環に陥ることがあります。
うつ病の治療
うつ病の治療で最も大切なことは、まず休養をとることです。ストレスの原因から距離を置くことで、症状が改善されることもあります。
また、医学的な治療としては、薬物療法や精神療法があります。うつ病は、5-ヒドロキシトリプタミンやノルエピネフリンなどの神経伝達物質の機能障害によって引き起こされると考えられています。
そのため、セロトニンやノルエピネフリンの濃度を高める薬が治療薬として用いられます。また、精神療法も治療法のひとつで、専門医に相談することになります。
薬物療法
うつ病の治療には、薬物療法が一般的です。
どのような薬が使われるのでしょうか。
うつ病の薬物療法の例
うつ病の薬物療法は、症状に応じてさまざまな薬と組み合わせて使われます。
- 抗うつ剤
抗うつ剤には、脳内環境を整える働きがあります。
うつ病の原因は、脳内環境のバランスが崩れていることです。
脳の環境を元の状態に戻すために、抗うつ薬が使われます。
抗うつ剤の効果が出るまでには、ある程度の時間がかかります。
個人差はありますが、1~2週間程度かかります。
- 抗不安薬
うつ病になると、日常生活に不安を感じることがあります。
抗不安薬は、不安や緊張を和らげることができます。
抗不安薬の特徴は、依存性が高いことです。
毎日服用する場合は、いつもより回数を多く飲まないと効果が得られません。
そのため、使用するタイミングや量を慎重に決める必要があります。
- 睡眠導入剤
睡眠障害は、うつ病の代表的な症状です。
睡眠導入剤は、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどの睡眠障害を緩和する効果があります。
投与量は必ず守り、アルコールは避けなければならない。
急な眠気や記憶の曖昧さなどが起こることがあります。
睡眠導入剤を服用した後は、すぐに寝るようにしましょう。
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精神療法
心理療法とは、医師と患者さんの対話を通して、原因を取り除く方法です。
ストレスの原因を明らかにし、思考や行動のパターンを変えていきます。
心理療法では、特にうつ病に対して認知行動療法が用いられます。
重度の認知症を除けば、薬物療法よりも効果があるとされています。
うつ病でお悩みの方へ
この記事では、うつ病の症状や原因、治療法について解説しています。
うつ病は多様な病気であり、その原因や症状の経過は人によって異なります。
うつ病やうつ症状でお悩みの方は、落ち込まずに治療に専念してください。