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膣カンジダとは?原因・症状・治療薬を解説!

かゆみを感じたり、白くて変なおりものが出てきたりしたら、それは膣カンジダかもしれません。

今回は、カンジダって何だろうという素朴な疑問に答え、症状、原因や治療法についてわかりやすくまとめてみました。

膣カンジダとは

膣カンジダ症は、正式には「性器カンジダ症」といい、男女ともに発症する可能性があります。
性感染症として認識している人もいるかもしれませんが、厳密には性感染症ではなく、「日和見感染症」です。膣カンジダ症は女性に多く、特に膣や外陰部に白くてはがれやすいおりものができ、弱い部分にはかゆみや痛みがあります。

ストレスなどで免疫力が低下すると、普段は無害なカンジダ菌が異常に増殖し、症状を発症する。
性交渉の有無は発症に関係ありませんが、症状がある状態で性交渉が行われると、他人に感染する可能性があります。

カンジダは男性も発症するのか

男性も性器カンジダ症を発症することがありますが、全体に占める割合は非常に少ないです。
圧倒的に女性の方が性器カンジダ症を発症しやすいと言えます。

ただし、割礼をしている人、糖尿病患者、ステロイド薬を服用している男性などは、比較的感染しやすいと報告されていますので、注意が必要です。

膣カンジダの主な症状


膣カンジダは、かゆみやおりものの変化など、さまざまな症状を引き起こします。主なものをいくつか見てみましょう。

  • かゆみ

外陰部の強いかゆみ。かゆみのためにかきむしると、皮膚が傷つき、症状が悪化することがあります。

  • 赤み

膣や外陰部が広範囲に赤くなり、白い苔のようなものができる。

  • 分泌物の変化

分泌物の量が増えます。また、分泌物の外観も変化し、濁ってお粥状やカッテージチーズ状になることもあります。

  • 痛み

炎症がひどくなると、排尿時や性交時に痛みを感じることがあります。また、皮膚が熱くなり、ヒリヒリするような灼熱感を感じることもあります。

これらの症状がある場合は、膣カンジダを疑う必要があります。

しかし、おりものの増加だけでなく、膣や外陰部の異常は性感染症でも見られることがあります。

適切な治療を行うためには、検査や身体検査を行い、原因を特定する必要があります。

膣カンジダと症状が似ている性感染症

性感染症 症状
トリコモナス膣炎 強い痒み
泡状の分泌物
黄緑色で悪臭のあるおりもの
性器のヒリヒリ感
性器ヘルペス 痛みを伴う強い痒み
性器周辺の水疱
性器周辺の潰瘍
細菌性膣炎 性器にかゆみがある
灰色がかった悪臭のする分泌物

その他の性感染症用抗生物質はこちら>>

膣カンジダの原因

カンジダ膣炎は、真菌(カビの一種)、最も一般的なのはカンジダ・アルビカンス(C. albicans)ですが、カンジダ・グラブラタ(C. glabrata)でも起こります。

これらの真菌は、消化管や皮膚に普通に生息している菌(常在菌)ですが、カンジダが膣内に生息しているだけでは、病気とは言えません。何らかの症状が現れて初めて、カンジダ膣炎という病名が付けられるのです。

カンジダ膣炎として、症状の原因として最も多いのは、免疫力の低下です。ストレスや疲労、風邪などによる免疫機能の低下、締め付けの強い不潔な下着、月経前のホルモンの変化など、日常的な要因で発症することが多いようです。その他、抗生物質、妊娠、糖尿病、HIV感染症などでも症状が出ることがあります。

意外と多いのが、月経前に症状が悪化することです。生理が終わると症状が軽くなるので、カンジダ症が治ったという人も多いのですが、この場合は病気が完治したわけではなく、常に病院に通う必要があります。

性行為が原因の場合もありますが、その割合は全体の5%と決して高くはありません。

原因が身近にあるため、性行為以外の生活習慣を変えなくても、再発しやすいのです。

つまり、原因となった生活習慣を改めることで、再発の可能性を大きく減らすことができるのです。

したがって、膣カンジダに感染した場合は、治療しながら原因を特定し、原因となる行動を変えていくことが大切です。

膣カンジダの治療方法

膣カンジダ症は、抗真菌クリームや膣座薬で治療することができます。通常1週間程度で症状は落ち着きますが、治らない場合や再発する場合は、他に症状を引き起こしている疾患がないかを調べる必要があります。

難治性の場合は、パートナーも同時に治療する必要があります。


膣カンジダの治療薬

  • クロトリマゾール
  • ミコナゾール硝酸塩
  • イソコナゾール硝酸塩
  • オキシコナゾール硝酸塩

など

剤形には、膣錠、膣坐剤、内服薬、軟膏やクリームなどの外用薬などがあります。


膣錠・膣坐剤

膣錠・膣坐剤は、膣の中で直接薬を溶かして分解することで効果を発揮するお薬です。

膣錠・膣座薬は、毎日投与する場合と週に1回投与する場合があります。


経口薬

経口薬は、体内で抗真菌薬として働きます。

フルコナゾールとして150mgを1回で投与します。

その効果は、基本的に膣錠と同じです。

ただし、妊娠中の女性は服用してはいけないため、膣錠や膣座薬で治療する必要があります。


外用薬

膣カンジダによる外陰部のかゆみには、軟膏やクリームなどの外用薬が使われます。

イミダゾール系は、1日2~3回塗布します。

  • クロトリマゾール
  • ミコナゾール硝酸塩
  • エコナゾール硝酸塩
  • オキシコナゾール硝酸塩

膣錠や膣坐剤との併用が理想的です。

膣カンジダが治療されないとどうなるのですか?

膣カンジダが治療されないと、自然に治ったように見えることがあります。これは、カンジダの症状が軽い場合で、風邪や過労など、一時的に免疫力が低下したことが原因であり、免疫力が回復すると消失するといわれています。

しかし、症状が重い場合や、そもそも膣カンジダ症になりやすい持病がある場合、放置しておくと徐々に悪化していきます。自己判断は危険ですので、病院に行って適切な治療を受けましょう。

治療後、いつから性行為ができるのですか?

膣カンジダ症は、治療後に再度検査することはまずありません。性器のかゆみや異常なおりものが改善された時点で完治と判断されます。

最初は日和見感染で発症する病気なので、菌の有無ではなく、患者さんの症状の有無で治癒を判断する病院が多いようです。

膣カンジダの治療後は、かゆみが止まり、おりものが正常に戻れば、すぐに性行為が可能です。ただし、将来の再感染を防ぐために、コンドームを装着して病原性細菌の侵入を防ぐ必要があります。

膣カンジダが治ったというサイン

膣カンジダ症が治ったことを示すサインは以下の通りです。

  • かゆみが消える
  • おりものの色や形が元に戻る

ただし、これらの兆候だけでは、膣内にカンジダが完全にいなくなったとは言えません。処方された薬は、必ず指示通りに使い終えてください。

膣カンジダの再発性と予防方法

膣カンジダは、ケアを怠ると何度も再発する病気です。

再発を防ぐために、以下のポイントに気をつけましょう。

  • デリケートゾーンを清潔に保つ。
  • シャワー、入浴、水泳の後は、デリケートゾーンを十分に乾かす。
  • 濡れた水着や湿った下着はすぐに交換する。
  • 生理用ナプキンや生理用ナプキンをこまめに交換する。
  • 通気性の良い下着やゆったりとした服を着用する。
  • 排便・排尿の際は、前から後ろへ拭く。
  • かゆみがあっても、敏感な部分を掻かないでください。



自然に治ることもありますが、症状が治まらなかったり、頻繁に再発する場合は、医師の診断を受けるようにしましょう。